雪、浴びて待つぜ。【後編】

◆浴びたい 

浴びたい 投稿者:けよどり (2月15日(火)21時36分xx秒)

雪まみれのおっかけをやりたいぜ。お互いにゲバを立ててから、

シャッター切りながら顔や頭から雪をかけたりかけられたりしたら最高や。

もう考えただけで写真が激Vしてしまう。

出来れば単線型の雪が一番だが、

雪だらけになれるなら複線型のラッセルでも

一緒にDENSYAの限りをつくし気が狂うほどぐちぐちゃになりながら、

ショバの隙間に入れてもらったり雪だらけのカメラをブロワーで吹きあおうや。

SNSのフォロワーに激Vを見せ合ったり、

そのうえでファボを掛け合ったら興奮してたまらないぜ。一緒にやろう。

宗谷線の北部なら良いが、南線でも良いぜ。

5Dmk2+ナナニッパの限界オタクや。防寒着姿のままで浴びながら狂うのが一番や。

連絡早くしてくれ。雪、浴びて待つぜ。

雪まみれのおっかけ

 前回、不幸にも故障運休を喰らう大敗北を喫した我々だが、裏を返せば運休日の翌日に走るラッセルは雪を掻くことがほぼ決まるとも考える事ができる。幸いにも2/15の天気は悪く無さげ。これはもうここで決めるしかない、前回のリベンジを果たすためにも、一行はまたも深夜の国道40号線を北上していった。

 まずはじめにやってきたのは稚内市街。南稚内近くにある車庫が見える跨線橋で様子を伺うことにした。が、雪に埋もれていて思うように近づけず、車で市街地をぐるぐるさまよいながらラッセルの気配を探っていると、出庫準備中の単線型ラッセルが踏切の手前で止まっているのを視認。これにより宗谷ラッセルとの追いかけっこが幕を上げた。

 まず我々が向かったのは抜海~勇知の跨線橋。現地の雪の積もり具合を見るに確実にここは雪を掻くだろうということで急いでカメラをセット。ほどなくして、前日に見ることの叶わなかった獲物が、ついに顔を見せた。

大☆爆☆雪

2023.2.15 宗谷本線 抜海~勇知
Canon EOS 5D Mark II EF70-200mm f/2.8L IS USM+EXTENDER EFx2 II

 線路に溜まった白い雪が、背景の防雪林を塗りつぶす勢いで宙に舞っている。これぞまさしく僕が見たかった宗谷ラッセル。昨日の完全敗北を帳消しにできるようなカットを早くもいただいてしまい、思わず顔がにやけてしまった。しかし、宗谷ラッセルの撮影はこんなところでは終わらない。すぐさま次の撮影地、問寒別へと足を進めるのであった。

 

単線型の雪が一番

 トラブルが発生するなどで勇知から出発するのが遅れてしまい、問寒別までの時間がギリギリになってしまった。撮影地にはそれなりに人が居たので前の方で屈むことでどうにかポジションを確保。ローアンポジは長時間姿勢が保つのがキツいのが玉に瑕だが、後から来ても意外と空いてる穴場*1なのでローアンでカメラを構える頻度は個人的には多い。快く前列に入れてくださる同業者には頭が上がらない。

 動画用カメラのセッティングを終え、本命のカメラをセットすればあとは待つのみ。ほどなくして現れた紅い機関車を前に、夢中でシャッターを切った。

2023.2.15 宗谷本線 糠南~問寒別
Canon EOS 5D Mark II EF70-200mm f/2.8L IS USM+EXTENDER EFx2 II

 ラッセルのように前面が尖っているような車両こそ、やはり半面光が似合う。作業灯も側翼も雪煙も〇で文句のつけようが無い*2。「我々はこの写真を撮るためにはやってきたんだぞ。」と言えるような写真を目指してきただけに、ここでこれを撮れたのは非常に大きい。

 これは上の写真から数コマ送ったカット。正面ではなく、ちょっと横を向いているのも個人的には好み。「これ!」っていう構図が最後まで思いつかなかったのでAFでズームを駆使しながら何枚か撮ることになったが、ちゃんとAFが食いついてくれてどうにか助かった形になった。

 今更だが、三脚は動画用カメラに回しているので写真用のカメラは手持ちで撮っている。このようにアングルをある程度自由に決めれるという利点があるものの、それ以上にカメラが重くて集中できない、トリミング前提の撮影になってしまう、激パだと場所取りできない上に中腰でカメラを構える事になった場合本当にしんどい上に周りの人と細かな連携が取りづらい…というように欠点の方が明らかに重いのでそろそろ写真用の三脚も欲しいと思いつつ、まだ手を出せていないのが現状。そもそも今使ってる三脚もグワングワン揺れるので早急に置き換えるべきではあるのだが。

 ともかく、これを撮れたら悔いはないかなという写真を撮る事ができたので、満面の笑みを浮かべながら次の撮影地へと向かうのであった。

 

雪だらけ

 次にやってきたのは「琴平」。香川県みたいな場所だが、天塩中川のすぐ南の地区を指す。カーブのアウト側から望遠で真正面を捉えるこの撮影地で一発迎える事にした。

2023.2.15 宗谷本線 天塩中川~佐久
Canon EOS 5D Mark II EF70-200mm f/2.8L IS USM+EXTENDER EFx2 II

 こういう写真になると、やはりウィングが開いてるか開いてないかで迫力が変わってくるので欲を言うなら開いていて欲しかったという所*3。とはいえ作業灯、フランジャー共に〇なので迫力に関しては申し分ない。天候も味方してくれてバリ順カットも順調に稼いでいる。勝ちを拾える時に拾いきれるのはやはり車による恩恵を感じざるを得ない。

 中川を超えたら北線ラッセルも後半戦へ。ラッセルに続き我々も南側へと駒を進めていく。

 

宗谷線の北部

 「後半戦へ」と言っておいてなんだが、ここが最後の撮影地になる。というのも音威子府より南側には音威子府のスキー場裏や恩根内の跨線橋などといった撮影地があれど、「なんか、もうよくね?」という考えがあったので一気に南下し、途中の美深のセコマで昼食を補給することを決意。ホットシェフは我々を裏切らない。して、やってきたのが「東恵橋」。北線ラッセル最後の撮影地であり、宗谷ラッセルを追いかけていると、大体最後はここに行きつく。

 昼飯を貪りながらカメラをセットして、後は来るのを待つのみ。東恵橋に関しては以前来たことがある撮影地なので、あまり深い事は考えず気楽にカメラを構える事にした。

2023.2.15 宗谷本線 智恵文~日進
Canon EOS 5D Mark II EF70-200mm f/2.8L IS USM

 「去年来た時よりは雪を掻いたかな…?」といったところ。まぁ北の方で排雪カットを稼いだので、今更雪を掻かなくなったところで別にムキになる事も無い。無難な編成写真を一枚いただいて、今回の追いかけっこは終了。旭川までの帰りがけ、南線ラッセルや石北ラッセルなどを見送り、無事帰還。醤油ラーメン滅茶苦茶美味しかったです。

 

浴びたい

 結果からすれば、この一日で得た成果はあまりにも大きなものだった。「宗谷ラッセルでこういう写真が撮りたい!」という願いはひとまず叶い、この一日だけで今回の遠征でもおつりが来るレベルの大満足な結果で幕を下ろす結果となった。とはいえ、詰めが甘い部分もちらほら見受けられたり、まだまだ撮りたいカットも残っているので今後もまた宗谷地方に訪れる事になるだろう。仮にDE15が新型のラッセルに置き換わったとしても、そこに線路がある限り満足のいくまで撮りつくす所存である。とはいえ、宗谷ラッセルの用事はここであらかた片付いたということで、ひとまずはここで一区切りとさせていただく。それでは最後に、この言葉を以てこの記事を〆させていただく。

 

 

  雪、浴びて待つぜ。

*1:かの鉄路百景氏もそういってるんだから間違いない

*2:もはや側翼見えないけど

*3:んーでもよく見たらウィング開くと雪壁ゴリゴリしそうねぇ